むし歯のセルフチェック


 むし歯に限らず、他のいろいろな疾患においても、もっと言えば世の中のさまざまな問題においても、「早期発見」は、その解決を容易にしてくれることが多い、と言えるのではないかと思います。
むし歯のセルフチェック
早期発見ですから、むし歯については、毎日歯にお世話になっている皆さんご自身で見つけることができれば一番です。今回は、むし歯発見のためのセルフチェックについて考えてみます。

セルフチェックと言っても、そんなに難しい話ではありません。
まずは、歯をよく見ることです。歯磨きの後などにときどき、鏡でご自分の歯をよく見てください。 最初に歯の表面に付着物(歯垢=プラーク)がないか、よく見てください。歯と歯茎の境目にネバネバと溜まっている白いものがプラークです。これを取り除かずに放っておくと虫歯の原因となります。これは発見の前の予防ですが、丁寧なブラッシングで取り除きましょう
健康な歯の表面は半透明のエナメル質ですが、初期のむし歯になると、小さく白い斑点ができることがあります。これは、歯の表面のエナメル質からカルシウムやリン酸が抜け密度が低くなって、白く変色しているのです。 この段階で発見できれば、削らずに、フッ素塗布など適切な予防処置をすればもとに戻ることもあります。さらに進むと乳白色から、茶色や黒褐色に変化していきます。 この時点で発見できれば、歯の表面は窪んでいるか、浅い穴程度なので、治療も短期間ですみます。

もう一つのチェックポイントは、歯と歯の間です。デンタルフロス(糸ようじ)を使ったときに、フロスが千切れたり、ほつれがでたりするようなところがあれば要注意です。これはむし歯になると、歯が削れてザラつきはじめるためで、早めに診察を受けましょう。
他にも繊維質の食物を食べると歯と歯との間に詰まる、冷たいもの、熱いものが歯にしみる、といった状態になったら、むし歯を疑いましょう。

以上、ご自身でむし歯を見つける方法を簡単に書いてきました。もう一つ、むし歯の早期発見に有効なのは、やはり歯科医院での定期健診です。 前述の白い斑点もご自身では気づかないこともありますし、歯科医院のユニットのあの強烈な照明は、小さな斑点も見逃しません。
早期発見はその後の治療を格段に軽いものにします。セルフチェック・セルフケアと定期健診で、健康な歯を保ちましょう。