口腔がん


 胃がんや肺がんなどに比べると、あまり耳にしない「がん」かもしれませんが、今回は口の中のがん=口腔がんについてです。
口腔がんとは、口の中にできるがんの総称で、舌にできる舌がん、舌と歯ぐきの間にできる口腔底がん、歯茎にできる歯肉がん、頬の内側粘膜にできる頬粘膜(きょうねんまく)がん、上あごにできる硬口蓋がん、唇に出来る口唇がん、などを指します。
口腔がんは、がん全体からみると数パーセントという珍しいがんですが、発症率は年々増加しています。 口腔がんのなかでは、もっとも多いのが舌がんで、口腔底がん、歯肉がんの順で続きます。
口腔がん
口の中は食べ物の入り口であり、硬いもの、尖ったもの、熱いもの、辛いもの、アルコール・タバコなど、いろいろな刺激を受け、常に傷つきやすい状態にあります。
通常はすぐに回復されるのですが、くり返しくり返し強い傷害を受け、それが何十年にもわたり続けば、正常な状態には回復できなくなり、がん発生の原因になってきます。
虫歯や義歯で常に舌などに刺激があることも原因になり得るし、口の中の不衛生が原因で、粘膜障害が常態化することも、がん発生の母地となります。
 このように口腔がんの発生要因は主として外部要因によるので、食生活や嗜好品などの生活習慣と口腔衛生に気をつけていれば、口腔がんのリスクを下げることができます

  ほかのがん同様、口腔がんも早期発見・早期治療が重要です。下記のような症状が出たら、かかりつけ医に相談しましょう。
・口の中が痛い
・口内炎が2週間以上たっても治らない
・原因不明の出血がある
・口の中にしこりや腫れがある
・舌、歯肉、頬などに赤い部分があり、しみたり痛かったりする
・口の中の粘膜が白くなった
・顎が腫れて入れ歯が合わなくなった
・鼻の片側だけに鼻詰まりがある


また最近では、歯科医師会や自治体が、口腔がん検診などを行っている地域も多くなっているので、機会をみて受診するのもよいでしょう。