口内炎のいろいろ


 今回は口内炎を取り上げます。ほとんどの皆さんは口内炎になられた経験があるでしょうし、身近?なものではありますが、その原因など、まだわかっていないことも多い疾患です。
口内炎 口内炎とひと口に言いますが、口内炎とは、口の中にできる炎症を総称したもので、実際には症状や原因によって、いくつかに分けられます。

アフタ性口内炎・・・口内炎のなかで最も多いのがこのタイプです。主として口の中の粘膜の軟らかいところにできる、直径2~5mm程度の円形叉は楕円形の潰瘍で、中心は白っぽく、外側は赤くなります。かぜのひきはじめや、胃腸の具合が悪い時、女性の場合では月経時や出産後など、からだの調子があまりよくないときにしばしばみられるようですが、原因ははっきりしていません。
ストレス、ビタミン不足、ホルモン異常、免疫力の低下、ウイルス感染、食物アレルギー、など諸説があります。何度もかかる人がいることから、体質的に出来やすい人がいるのではないかとも言われていますが、繰り返し出来たあと、長期間できなくなることもあるので、これも断定できません。

カタル性口内炎・・・唇の内側、舌やほおの粘膜が赤く炎症を起こしたり、白濁したり、ザラザラしてひび割れを起こしたりします。
口臭が発生し、口の中が熱く感じられ、食欲がなくなり、味覚が分からなくなったりします。入れ歯や矯正器具、火傷などで、口の中の粘膜に刺激を受けた場合や、虫歯、歯周病などで口の中の衛生状態が悪い時に起こります。かぜなどのウイルス性の疾患や、細菌感染による肺炎などで高熱のあるとき、何らかの病気で全身がひどく消耗しているときなどにも起きやすくなります。子供に多くみられ、これは指しゃぶりや異物を口に入れることで、口の中の衛生状態が悪くなるため、とされています。

ウイルス性口内炎・・・こちらは原因からの分類で、単純ヘルペスウィルスへの感染から罹るヘルペス性口内炎など、ウイルスの感染によって引き起こされるものです。ヘルペス性口内炎では、唇や口腔粘膜に小さな水疱の集まりができ、それが破れるとびらん(皮膚がめくれて、下の組織が露出した状態)や潰瘍ができます。3歳までの乳幼児に多くみられます

カンジタ性口内炎・・・かび(真菌)の一種であるカンジタが増殖することで起こる口内炎です。口の中に白い苔状の斑点ができ、そのままにしておくと口全体から、のどや食道、肺へ広がっていくこともあります。痛みはあまりありません。身体の抵抗力の低い乳幼児や高齢者、妊婦などに多くみられますが、かぜをひいたり、高熱が出たりして、粘膜の抵抗力が落ちていると、罹りやすくなります。
他にも、アレルギー性の口内炎、喫煙者がかかりやすいニコチン性の口内炎などもありますし、手足口病、ベーチェット病などでも口内炎ができます。

来月のコラムでは、口内炎の治療や予防などについて、書きたいと思います。